在宅での訪問リハビリ等で危惧していること

 例えば、もし75歳で脳梗塞になりリハビリ等の治療が必要になった場合の現在のリハビリ状況は、病院では病名による日数制限(180日)でその後は十分にリハビリが受けられ無いのが現実で、これがニュース等で問題になっている「リハビリ難民」となっております。

 一般的には運動機能の回復は、発症後90日までは緩やかに回復し、180日までにはプラトー(横ばいという意味)になると言われていますが、文献によっては、6~12ヶ月の間でも回復が続いたなどや、二年間にわたって回復し続けたなどの報告もあることから、あくまでも個人的な意見ではありますが、リハビリはやる気と「治りたい」という強い気持ちがあるうちは、行う意味があると思います。

 しかし上記で述べたように、病院で期限が来て病院を出なくてはならないとなった場合は、特例を除き老人保健施設の入所してのリハビリ(人員基準では入所者100人に対し理学療法士等1名なので個別は病院と比べると落ちる)か、自宅に帰りデイケア・デイサービスなどの通所を利用して短時間のリハビリ(施設によっては集団体操のみ)を行うか、訪問リハビリ(理学療法士等の専門職)などが考えられます。

 しかし、特に有用な訪問リハビリは(自宅に訪問するため、患者様の生活を評価して生活リハビリテーションを実施出来る。)、実施している機関が少ない・理学療法士等の専門職が現場に足りないなどの問題があるのが現状です。

 そこで今、訪問マッサージが増えています。あえて苦言を言わせて頂くと、リハビリのプロは理学療法士等の専門職です。私も理学療法士であり、鍼灸マッサージ師のライセンスを持っているからこそ分かりますが、マッサージ師はリハビリの教育は専門的でないのが現状です。病状によっては、行ってはいけないことを知らない為に行い、かえって病状を悪くしてしまったりしたケースも聞きます。ですから安易な治療に走らず、専門家に相談して欲しいと思います。

 しかし、訪問マッサージを全面否定しているのではありません。マッサージなどの手技療法はリラクゼーション効果等もあり有用です。またマッサージの先生も病院等で学び、経験を積んだ先生で有能な方も沢山おられます。
そこを注意して頂けたなら、良いセラピストと出会いリハビリを長く続けられると思います。